弁護士法人Legal Homeは、大阪の豊中に拠点を置き、法律問題にお悩みの方のお力になれるように日々尽力しております。おひとりでは解決しづらい問題も、経験豊富な弁護士がそばにいることで解決に向けて前進できるようになります。このブログでは、クライアント様から頻繁に寄せられるご相談や、お役立ていただける情報をわかりやすくお届けしてまいります。不動産の相続は、所有者の死後、法務局に登録されている名義を相続人へ変更する「相続登記」が必要となります。特に、令和6年(2024年)からは相続登記が法的に義務付けられることになり、その重要性が一層高まっています。そこで今回は、複雑な不動産相続の流れについて詳しくご紹介します。
相続登記の義務化の背景
相続登記の放置が招くリスク
放置することには多くのリスクが伴います。例えば、新たな相続が発生し相続人が増える、相続人が認知症になる、相続登記に協力しなくなるなどの問題が生じる可能性があります。これらのリスクを避けるためにも、相続登記は早めに行うことが推奨されます。
相続登記の義務化
2021年に相続登記義務化の法案が可決され、2024年に施行が予定されています。義務化されると、相続が発生した際には登記手続きを行わなければならず、早めに手続きを済ませることをおすすめします。
不動産相続手続きの3つのケースとその特徴
相続における不動産の手続きは、主に3つのケースに分類されます。これらの方法は相続人が不動産の相続をどのように決定するかに基づいており、ケースにより特定の条件と手続きが伴います。
ケース1 遺産分割協議によるもの
最も一般的な相続手続きは遺産分割協議を通じたものです。この流れでは、相続人全員が集まり、不動産を「誰が」「どの不動産を」「どれだけの割合で」相続するかを協議します。遺言書が存在しない場合や、法律で定められた相続割合と異なる配分を望む場合には、この協議が必要となります。
ケース2 遺言によるもの
故人が遺言書を残していた場合、その遺言に基づいて不動産の相続登記が行われます。遺言には具体的に「誰が」「どの不動産を」相続するかが記載されており、その通りに手続きを進める必要があります。ただし、公証人役場で作成された公正証書遺言以外の場合は、家庭裁判所による検認手続きが先に必要です。
ケース3 法定相続によるもの
法律に基づいた相続割合で不動産を相続人全員の共有名義にする手続きです。
例えば、法定相続割合に従えば、「長男1/3、長女1/3、次男1/3」のように分割されます。このパターンは書類の準備が最も少なく、手続きが簡素化されるため、実施が容易です。しかし、不動産を共有名義にする際は将来の税金や費用、意思決定の複雑さやトラブルが起こることも考慮し、慎重な検討が求められます。
共有名義にした不動産相続手続きは注意が必要
共有名義にした不動産を後に分割し個別の所有に登記変更する際には、高額な税金や費用が発生する可能性があります。また、不動産の売却や修繕に関する意思決定では、共有者間での意見の相違が生じることがありトラブルを招くこともあります。これらの点を事前に検討し、相続手続きを進めることが大切です。
不動産手続きの流れ(遺産分割協議による相続の場合)
STEP1 必要情報の収集
相続対象不動産の詳細情報を集めます。
STEP2 必要書類の収集
法務局で名義変更手続きに必要な戸籍謄本等の書類を集めます。
STEP3 遺産分割協議の実施
相続人全員で遺産分割協議をおこないます。
STEP4 申請書類の作成
相続関係説明図、登記申請書、遺産分割協議書を作成します。
STEP5 法務局への登記申請
必要書類を法務局に提出し、登記手続きをおこないます。
手続きにはどのくらいの期間や費用がかかる?
手続きにかかる期間は1ヶ月~3ヶ月程度が目安ですが、相続人の人数や状況によって異なります。
費用は、登録免許税、必要書類の収集費用、司法書士への依頼費用などが含まれ、相続した不動産の価格や手続きの方法によって変動します。費用を抑えるためにご自身で手続きを進めることもできますが、専門的な知識が必要な書類もあります。そのため、専門家に依頼した方が費用はかかりますが手続きがスムーズに進むメリットがあります。
不動産相続の流れを知り早めに登記手続きをおこないましょう
最後までお読みいただきありがとうございます。令和6年からの相続登記義務化に伴い、不動産の相続手続きへの意識が変わりつつあります。
この変化を踏まえ、相続が発生した際には、リスクを避け、手続きを円滑に進めるためにも、必要な書類の準備や手続きの流れを事前に確認し早めに手続きをおこないましょう。弁護士法人Legal HOMEは遺産相続に関する豊富な経験と実績を活かして日々多くの相続トラブルに尽力してまいりました。相続に関するお悩みは、ひとりで抱えず、まずは無料の相談サービスをご活用ください。専門家が迅速かつ適切にお手伝いをさせていただきます。