弁護士コラム

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相続人がいない場合には?

2024.12.10

弁護士法人Legal Homeは、大阪の豊中市に拠点を置き、法律問題にお悩みの方のお力になれるように日々尽力しております。おひとりでは解決しづらい問題も、経験豊富な弁護士がそばにいることで解決に向けて前進できるようになります。相続人がいない場合、遺産はどうなるのでしょうか?この記事では、相続人不存在の定義から財産の行方、必要な手続きまで、わかりやすく解説します。 

相続人不存在とは?定義と発生条件

相続人不存在とは、被相続人(亡くなった人)の財産を相続する人がいない状態を指します。法定相続人の範囲は、配偶者、子、親、兄弟姉妹までです。これらの人々がいない、または相続権を失った場合に相続人不存在となります。近年、少子高齢化や未婚率の上昇により、相続人不存在のケースが増加傾向にあります。

どんな場合に相続人不在と定義されるのか

・法定相続人が存在しない場合

・全ての相続人が相続放棄をした場合

・相続人が相続欠格や廃除に該当する場合 

相続人がいない場合の財産はどうなるのか

相続人不存在の場合、財産の行方は主に三つのパターンがあります。

被相続人が遺言書を残していた場合

そこで指定された人が財産を相続します。遺言書は、家族がいない方にとって自身の財産の行方を決める重要な手段となります。 

遺言書がない場合でも、特別縁故者が財産分与を申し立てることができる

特別縁故者とは、被相続人と特別な関係があった人を指し、内縁の配偶者、事実上の養子、被相続人の看護や介護をしていた人などが該当します。 

上記のいずれにも該当しない場合

財産は最終的に国庫に帰属します。2017年には、国庫に帰属された遺産が500億円を超えたと言われており、今後もこの傾向は続くと予想されます。 

相続人不存在時の手続きの流れ

相続人不存在の場合、次のような流れで法的手続きが必要となります。この一連の手続きには約1年以上の期間を要し、複雑な手続きが含みますので専門家と一緒に進めることが大切です。

1 相続財産管理人の選任

利害関係人や検察官の申立てにより、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。通常、地域の弁護士がこの役割を担います。 

2 相続人捜索のための公告

相続人捜索のための公告が2ヶ月間おこなわれます。 

3 債権申立ての公告

債権申立ての公告が2ヶ月以上おこなわれます。 

4 相続人捜索の公告

6ヶ月以上の相続人捜索の公告期間を経て、相続人不存在が確定します。 

5 特別縁故者への財産分与

3ヶ月間の特別縁故者への財産分与の申立て期間が設けられます。 

6 残余財産の国庫帰属

最終的に残余財産が国庫に帰属します。 

相続人不存在を防ぐための4つ対策

相続人不存在を防ぐ、または財産の行方を自身で決めるための対策には、いくつかの方法があります。

遺言書の作成

最も確実な方法は遺言書の作成です。遺言書によって、自身の財産をどのように分配するか、誰に相続させるかを明確に指定することができます。生前にお世話になった人や、興味のある団体への寄付なども可能です。 

養子縁組の検討

養子縁組の検討も一つの選択肢です。法的な家族関係を作ることで、相続人を確保することができます。 

生前贈与の活用

生前に自分で決めた人に財産の移転をすることができます。 

信託の利用

生前に財産の管理をおこなうことができます。 

相続人不存在に関する重要ポイント

・相続人不存在は、今後ますます増加すると予想される問題です。

・法定相続人がいない、全員が相続放棄、または相続権を失った場合に発生します。

・財産は遺言書指定者、特別縁故者、または国庫に帰属することになります。

・相続人不存在の確定には約1年以上の複雑な手続きが必要となるため、事前の対策が非常に重要です。

・特に遺言書の作成は、自身の意思を明確に示し、財産の行方を決められる最も確実な方法といえるでしょう。 

相続問題のお悩みは、まずは無料相談サービスをご活用ください

最後までお読みいただきありがとうございます。遺相続人不存在(相続人がいない場合)は、今後ますます増加すると予想されます。弁護士法人Legal Homeでは、相続に関するさまざまなご相談を承っております。将来の不安を解消し、適切な対策を立てるためにも、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が、相談者様の状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。