弁護士法人Legal Homeは、大阪の豊中市に拠点を置き、法律問題にお悩みの方のお力になれるように日々尽力しております。おひとりでは解決しづらい問題も、経験豊富な弁護士がそばにいることで解決に向けて前進できるようになります。相続税の申告期限を過ぎてしまうと、様々なペナルティが課されることをご存知でしょうか。期限内の申告が難しい事情がある場合、どのように対処すればよいのでしょう。この記事では、相続税の申告期限と、期限を徒過した際の影響について詳しく解説します。また、どうしても期限に間に合わない場合の対処方法についてもご紹介します。
相続税の申告期限と申告が難しい理由
相続が発生すると、相続税の申告と納付が必要になります。原則として、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内が申告期限とされています。しかし、膨大な量の資料収集や財産の評価、遺産分割協議など、申告までの準備には多大な労力と時間を要するため、期限内の申告が困難なケースも少なくありません。
申告期限徒過のペナルティ
申告期限を過ぎてしまうと、次のような罰金的なペナルティが課されます。
延滞税
申告期限から2ヶ月以内は年2.8%、2ヶ月経過後は年9.1%(令和2年の場合)の割合で、期限後に納付した相続税額に対して課税されます。
過少申告加算税
申告書の税額が実際より過少であった場合、修正申告時に追加で納付した相続税額の10%(一定の場合は15%)が課税されます。
無申告加算税
正当な理由なく申告期限内に申告しなかった場合、自主的に申告した場合は税額の5%、税務署の指摘により申告した場合は15%が課税されます。
重加算税
財産の仮装隠ぺいがあった場合、申告書を提出している場合は追加で納付した税額の35%、提出していない場合は45%が課税されます。
期限内の申告が適用条件となっている特例
次のような特例は相続税額を大幅に軽減できる可能性があるため、申告期限の徒過により適用できなくなることは避けるようにしましょう。
小規模宅地等の特例
被相続人の居住用宅地や事業用宅地、貸付用宅地の価額を最大80%減額できる特例です。条件を満たせば最大で8,000万円の減額が可能であり、相続税額を大幅に軽減できます。
農地の納税猶予
一定の要件を満たす農地について、相続税の納税を猶予する制度です。これにより、相続発生時の納税負担を大きく軽減することができます。
どうしても間に合わない場合の対処法
どうしても申告期限に間に合わない事情がある場合、まずは概算で申告し納税することで、ペナルティを回避する方法があります。その後、財産の確定後に還付請求をおこなうことで調整が可能です。ただし、一度申告すると修正できない事項もあるため注意が必要です。また、遺産分割が確定していない場合は、法定相続分で分割したと仮定した未分割申告をおこない、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付する方法もあります。その後、遺産分割確定後に還付請求や修正申告で相続税額の調整をおこないます。
相続が発生したら、お早めに専門家に相談することが大切
相続税の申告は複雑な手続きが求められ、期限内の申告は簡単ではありません。「申告期限が迫っている」あるいは「期限を過ぎてしまった」という方は、まずは税理士など専門家に相談することをおすすめします。適切なアドバイスを得ることで、ペナルティを最小限に抑え、円滑に申告・納税を進めることができるでしょう。弁護士法人Legal Homeでは、相続税申告をはじめとする相続問題に関するさまざまなご相談を承っております。お困りの際には、ぜひ当事務所までお問い合わせください。経験豊富な弁護士が問題解決に向けて迅速かつ適切にお手伝いをさせていただきます。