弁護士コラム

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遺言の無効確認を確認するには?

2025.01.14

弁護士法人Legal Homeは、大阪の豊中市に拠点を置き、法律問題にお悩みの方のお力になれるように日々尽力しております。相続手続きを進める上で、相続人の中に行方不明者がいる場合、遺産分割協議が滞ってしまうことがあります。しかし、適切な対応を取ることで、この問題を解決することができます。このブログでは、相続人が行方不明の場合の具体的な対応策、不在者財産管理人の選任手続き、失踪宣告の申し立て方法、さらには相続登記の可能性についてくわしく解説します。 

行方不明の相続人への対応

遺産分割協議は相続人全員でおこなわなければなりません。しかし、相続人の中に行方不明者がいる場合、遺産分割協議を進めるためには以下の手順で対応が必要です。 

行方不明者の住所を特定する

相続人の戸籍謄本を使って、行方不明者の現在の戸籍の附票を請求し、所在地を確認します。「連絡が取れないから無視しても良い」という考えは適切ではありません。生きている限り、相続の権利は消えないためです。 

特定できたら、連絡を試みる

判明した住所に、相続発生の事実や遺産分割協議の必要性を説明した手紙を送ります。内容や書き方には気を配り、相手が理解しやすいように心がけましょう。 

不在者財産管理人の選任

不在者財産管理人は、行方不明者(不在者)の財産を管理するために家庭裁判所が選任する人物です。相続手続きにおいて、相続人の一人が行方不明で連絡が取れない場合に選任されることがあります。 

不在者財産管理人の選任手続きの流れ 

まずは必要書類の準備

申立人(配偶者、他の相続人、利害関係者など)が必要書類を準備します。

・不在者財産管理人の選任申立書

・行方不明者及び申立人の戸籍謄本

・不在者財産管理人候補者の戸籍謄本及び住民票

・不在の事実を証明する資料

・財産目録

・遺産分割協議書案 

家庭裁判所に申立てをしてからの流れ

上記書類を揃えて、行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをおこなう

家庭裁判所が申立ての内容を審査

必要に応じて、家庭裁判所が関係者から事情を聴取

家庭裁判所が不在者財産管理人を選任

選任された不在者財産管理人が就任の承諾をする 

不在者財産管理人になれる人はどんな人

利害関係のない被相続人の親族が一般的です。適任者がいない場合は、家庭裁判所の判断で専門家(弁護士や司法書士など)が選ばれます。選任後、不在者財産管理人は遺産分割協議に参加し、不在者の財産を管理します。行方不明者が戻ってきた場合、管理していた財産を受け渡します。 

失踪宣告の申し立て

長期間行方不明の場合、失踪宣告の申し立てを検討することがあります。失踪宣告とは、家庭裁判所が生死不明の人を法律上死亡したとみなす制度です。

普通失踪

・家出のような状況で、容易に戻る見込みがない場合

・生死不明が判明した最終日から7年経過後に申し立て可能

7年を経過した日に死亡したとみなされる 

特別失踪

・山岳遭難や海難事故など、特別な事情がある場合

・危難が去ってから1年経過後に申し立て可能

・危難が去った時点で死亡したとみなされる 

失踪宣告の手続きの流れ

行方不明者の住所地・居住地を管轄する家庭裁判所に申し立て → 家庭裁判所が調査を実施  官報などで公示催告

一定期間経過後、審判 → 確定後10日以内に市区町村役場に失踪の届出 → 相続登記の可能性 

相続人が不明でも相続登記が可能な場合

次のような方法により、相続人が不明な場合でも一定の条件下で相続登記を進めることができますが、完全な解決にはならない場合もあるため専門家も交えて慎重に進めることが大切です。 

遺言書がある場合

遺言書で不動産を相続する人が定められているのであれば、遺産分割協議を行わなくても遺言書に書かれている人が不動産を取得します。したがって、遺産分割協議に参加するべき相続人が行方不明でも、相続登記を申請することが可能です。

※遺言書が自筆証書遺言の場合には家庭裁判所が検認しなければなりません。法務局で遺言書保管制度によって保管されていた場合には、検認の必要がありません。 

法定相続分で分割する場合

法定相続分で分割する場合も、共有名義であれば相続登記を行うことができます。このようなケースでは、相続登記が共有物の保存行為にあたるので、代表者が登記申請することが可能です。

※相続登記はできますが、行方不明者がいるままでは売却のような処分行為を行うことはできません。そのため、これは一時的な対応にとどまる点に注意が必要です。 

相続人が行方不明の場合でも、適切な手続きを踏むことで相続は進めることができます

最後までお読みいただきありがとうございます。相続人が行方不明の場合でも、適切な手続きを踏むことで相続を進めることができます。状況に応じて、不在者財産管理人の選任や失踪宣告の申し立てを検討し、専門家のアドバイスを得ながら対応することが重要です。

弁護士法人Legal Homeでは、行方不明の相続人に関するご相談を承っております。複雑な手続きや判断に迷った際は、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が、状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。