大阪の豊中市にある弁護士法人Legal Homeは、法律問題にお悩みの方のお力になれるように日々尽力しております。経験豊富な弁護士がそばにいることでおひとりでは解決しづらい問題も、解決に向けて前進できるようになります。遺留分が侵害されている場合、相続人にはどのような対処法があるのでしょうか。このブログでは、遺留分の概念、侵害額の算定方法、権利行使の手順、そして法改正についてくわしく解説します。
遺留分とは何か?
遺留分とは、遺言があっても侵害されない、相続人として最小限相続財産を必ず取得できる権利です。この制度は、被相続人の財産処分の自由と相続人の期待を調整する役割を果たしています。
遺留分が認められるのは
遺留分が認められるのは兄弟姉妹以外の相続人で、その割合は以下の通りです。
直系尊属のみが相続人 | 相続財産の1/3 |
それ以外 | 相続財産の1/2 |
遺留分侵害額の算定方法
遺留分侵害額は、遺留分額から、遺留分権利者の取得した相続財産及び特別受益を控除して算出します。
遺留分額の算出のポイント
・プラスの財産から債務を控除した相続財産
・相続人以外に対する相続開始前1年内におこなわれた贈与
・相続人に対する相続開始前10年内におこなわれた特別受益となる贈与
・遺留分権利者に損害を与えることを知っておこなった贈与
個別的遺留分率を掛け、承継する債務額を加算して遺留分額を算出します。
遺留分権は行使する時の大切なポイント
遺留分を侵害された相続人は、遺留分を侵害した相続人、受遺者、受贈者に対する意思表示により、遺留分侵害額請求をおこないます(民法1046条)。この請求は必ずしも裁判を起こす必要はなく、裁判外の意思表示でおこなうことができます。
遺留分侵害額請求権には時効があります
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しない時は時効によって消滅してしまうため、時効前に権利行使をしたことを証拠化しておくために、内容証明郵便で遺留分侵害額請求の意思表示をしておくのが望ましいといえます。
相続税の申告が必要に
遺留分侵害額請求の結果、相続財産を取得した相続人は相続税の修正申告を、相続財産が減少した相続人等は相続税の更正の請求をすることができます。
相続法の改正(2019年7月1日以降に発生した相続について適用)
改正相続法において、遺留分制度が見直されました。
・遺留分を侵害された場合、その侵害を回復するための権利が金銭債権化され、お金を請求できるだけの権利となりました。
・相続人に対する生前贈与についての特則を設け、相続人が受けた特別受益については、相続開始前の10年間にされたものに限り、遺留分額を算定するための価額に持ち戻すことになりました。
・遺留分侵害額の算定にあたり控除すべき特別受益については、改正後も時期的な制限はなく、10年以上前の特別受益も控除の対象となります。
間違いやすいポイント
・持戻しの対象となる特別受益は10年以内のものに限定
・侵害額算定のために控除する特別受益は時期的な制限なし
遺留分のお悩みは、まずは無料相談サービスをご活用ください
最後までお読みいただきありがとうございます。遺留分は、近親者の最低限の相続権を保護する重要な制度です。しかし、その対象や計算方法は複雑で、行使にも期限があります。実際は、不動産の評価等で争いになることも少なくないため、話し合いでの解決が難しい場合、調停や訴訟での解決を図らなければいけないケースも少なくありません。弁護士法人Legal Homeでは、遺留分に関するあらゆるご相談を承っております。遺留分についてご不明点などはお気軽にご相談ください。